ザ・スイッチ 感想

女子高生と中年殺人鬼の入れ替わりモノ、という設定の時点で勝ち確定。
面白くないワケがないだろうというヤツ。

 

 

で、予想通りめちゃくちゃに面白かった。


まず何よりもだけど、メイン2人の入れ替わった後の演技が最高にキマってる。

女子高生、もともと家庭の事情等でかなり内気で気弱なキャラクターなんだけど、ここに殺人鬼が入ることでもうガラリと雰囲気が変わるワケだ。前髪がっつり上げてバチバチのメイクしてド派手な赤い革ジャンなんか着ちゃう。で、学校行って堂々と好き放題。
(個人的な趣味趣向だけど、どストライクである)

一方で殺人鬼。内気で気弱な女子高生が入り込んだ中年オッサンの演技。いや、本当に面白くてたまらないよこれ。

そんな面白可笑しいところがこの映画のジャンルをホラー/コメディたらしめるところで、それはもう最高でございました。でもこの映画、これだけで終わらないのもとても良かった。


それが、体型や見た目がもたらす様々な話。

まず体型について。

女子高生の体になった殺人鬼は結構力負けしちゃう。そりゃあそうだ。体は女子高生なんだし、普通に暴れても基本的には押さえつけられてしまう。

殺人鬼の体になった女子高生はその逆で、たとえば軽く押しのけたつもりの相手が壁にビタンとたたきつけられてしまう。

お互い、自分の予想外の力に驚くシーンが印象深い。

こういうのを見ると(それが極端な例とはいえ)、男女の体の基本的な力の差、みたいなものを考えさせられる。よくあるじゃないですか。痴漢にあう女性は抵抗すればいいじゃないか、的なしょうもない意見。逆上されたときのことを考えたらできるわけないでしょと。この力の差はどうにもならないよ。

続いて見た目。

殺人鬼が中に入ることで見た目が一気にイケイケになる女子高生。すると今まで嫌味を言ってきたようなクラスメイトが手のひらを変えてすり寄ってくる。男子からの視線も釘付けだ。万事こうなるハズないし、というかもともとビジュアル良いだろみたいな話もあるし、まあ極端な描写だとは思うけど、でもそういうのあるよなとなる。

見た目ってやっぱりポイントだ。


主人公(女子高生の方ね)は物語が進むにつれて考え方が変わっていく。それはもちろん色々なイベントによるものなんだけど、その中にはやはり体型や見た目が変化したことによる影響がある。この体でいるとなんだか自身が出る、みたいなことも言っていた(……と思う。)

それがすべてではもちろん無いけど、外面と内面ってそれなりに繋がってるよねと。

いやあ、めちゃくちゃ笑えるしホラーなところはしっかりホラーだし、こういうちょいと考えさせられる要素もある。で、これらがとてもいい感じに纏まっている。

とても良い映画だった。この監督、ハズレがねぇ!!