Tokyo 7th シスターズ -僕らは青空になる- 感想

いわゆるナナシスってやつ。
ライブは毎回のように見に行ったし曲もすべて追っているんだけど、ゲームアプリ自体は未プレイな僕。
なのでまさかのキャラクター名すらほぼ分からない、まるっきり白紙状態の僕。

そんなやつの感想なのであしからず。

 

 

まずは見終わってみての印象。

短い。チュートリアル感がある。


作品にかけて設定された77分という尺は、映画としてはやはり短いもの。

しかもナナシスを知らない人(まさに僕のような人)でも分かるように、という配慮から……かどうかは分からないけど、このうちの冒頭10分程度はキャラクター紹介用のビデオ撮影パートに割かれてしまう。

これは大変だな~~と思う。

加えて気になるのは、何か出来事があるたびに12人のリアクションが描かれるところ。特定のキャラクターを推すことでコンテンツを楽しむ、という客層の厚さを考えれば、こういう丁寧さはプラスなんだけど、やっぱり話の展開という観点ではもっさり感が目立ってしまう。

で、これが短い尺の中で行われるもんだから、お話をじっくり描く余裕は当然無い。一応最後はそれなりの終わり方に落とし込んでいるので、よく頑張りました感はある。が、なんというか、全体的にインスタントラーメンのような感じに思えた映画だった。

それがチュートリアル感、ということ。


僕はご都合主義や急展開をあまり気にしない人間なんだけど、とはいえあれれとなる箇所も多くて、最終的にあぁ良かった……と思えなかった。

最も気になった点は終盤。八角さんとハルの会話シーンと、マネージャーとその他メンバーの会話シーンが平行して描かれ、これが交わり、お話がラストに流れていくところ。

なぜアイドルをするのか、というまぁ良くあるといえば良くある議題。

それを自分自身に見出す、という意見がばばんと提示される一方で、その直前にちやほやされたいとか可愛く見られたいとかの人はここから去りなさい云々という意見が出る。

他者からの自分の評価を主軸にするという行動理念を自分自身が見出しているのであれば、それはそれで全然いいじゃないかと思うんだが、どうやらそれはこの状況ではダメらしい。

ハルは「誰かの背中を押すために」という理由を見出し、それがメンバーに火をつけ、全体の答えとして昇華されていくんだけど、この流れについてもあれ?となる。周りの人たちの何人か、普通にハルの押しに流されてるだけじゃないですか?という印象。

これを自分自身に見出す、という話の流れでやるもんだから、なんというかちぐはぐな感じがしてくる。

これはもう尺やキャラクターありきのコンテンツ作り、という、仕様的な面で仕方がないことだから何を言っても意味ないんだけど、最終的にさくっとハルの意見で右に倣えになるなら、やはり12人もキャラがここにいる意味ないよね……?と思ってしまわざるをえない。


でもまぁチュートリアルとして、であれば、ひととおりキャラも紹介されたし、ハルの……そしておそらく作品全体のであろう主張も提示されたしで、良かったんじゃないかと思う。

ライブシーンについても、しょぼい3D(どうせ3Dにしたらしょぼくなる)じゃなくて描ける限りの手描きアニメだったのが個人的に良かった。


特に終盤の流れについてあれれとなったけど、これは一回見た感想なので、聞き漏らしている箇所や、そういう意図の発言じゃないんだけど、みたいなこともあるとは思う。まぁとはいえ一回見たとき僕はそう感じましたということで。